「パーソナライズマーケティングのこれからをどう読むか?」The Marketing Day vol.1「急成長D2C・サブスク企業の経営者が考えるマーケティング戦略」(3/3)
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3.パーソナライズマーケティングのこれからをどう読むか?
・広告規制強化によるD2C・サブスクビジネスへの影響
・顧客データベース基盤活用の実際と今後
・経営者が見るマーケターの未来
広告規制強化によるD2C・サブスクビジネスへの影響
寺田 ありがとうございます。今あのいい感じに導入いただいたので、大きく三つ目のテーマでですね、少し具体の施策の話なんかも出てくるかもしれないんですけど、「パーソナライズマーケティングのこれからをどう読むか?」っていうところで、Cookieレス
広告規制の、まあCookieに限らずですけど、いろいろ広告規制が強化されてる中でD2C・サブスクビジネスってマーケティングやり方変わっていくことと変わらないことって多分あると思うんですけど、各社どのようにマーケティングの施策のところを向き合っているのかであったりとか、データベースの基盤活用みたいなお話もお伺いできればと思うんですけれども、まずじゃあこの広告規制強化によるD2C・サブスクビジネスというかマーケティングへの影響みたいなのをお伺いしたいんですけど、深山さんこちらいかがでしょうか?
深山 そうですね。正直今いわゆる通販みたいなところでいくと、結構厳しくなっているっていうのが現状で。景表法、薬機法の強化によってそれが広告主並びにメディアのほうにも罰則が向けられると。責任の幅が増えたことによって、もちろんそこ違反するっていうところはどんどん根絶されていく。ただ今経過途中なので、北の達人さんがIRとかでも出しているんですけれども、結構メディアが審査落ちして、なぜ審査落ちするのかわかんないみたいなところまで含めて、広告に対する、何だろうな、当たり前の規制と、あとはそれに対する影響っていうのが正直市場に出てきているのが現状かなと。あとは電子メールとかもオプトイン取っていないと配信できないとか、そういったところも含めてかなり、対応していかないといけないところも大きくなっておりますし、それに対するやり方、チャネル、とはいえじゃあLINEみたいなところであるとか、今後海外ではインスタのメッセージとかでもショッピング体験ができるようになるとか、そういったところのチャネルは広がっていく。TikTok然り、なので、現状の規制っていうところは受け止めつつ、それにどう対応していくのか並びに新しいチャネルっていうのはどこなのか、そこを開拓していくにはどうするのかっていうのをみんな結構考えていかないといけない時代なのかなって思ってます。
寺田 今実際Spartyさんだと新しいチャネルって最近こう特に注力されているところとかっていかがですか?
深山 そうですね。まあ当たり前のようにTikTokとかはやってはおりまして、TikTokは表現とかが結構今までの常識とは違う表現だったりもするので、そこも試行錯誤しながら取り組んでいるっていうような形。ただ、やはりターゲットが10代20代前半みたいな形なので非常に若いっていうところでいくと、やはりそういうのがLTVみたいなところに影響が出ているっていうのが現状なのかなと思っています。
森 単価が低かったり、リピート率が低いみたいな?
深山 リピート率が低いですね。
森 TikTokってクリエイティブの表現の仕方って何が違うんですか?
深山 やっぱり踊ったりとか、あれって一種のエンタメっていうところが必要なので商品をデカデカと出す表現っていうのが、ほぼまったく刺さらないんですよね。
森 便益訴求だけだと全然見られない?
深山 全然見られない。
森 フィードが伸びないみたいな?
深山 あ、そうです。なのでやっぱり音とか踊るとか、あとは彼氏彼女がいちゃついてるとか、そういうところの媒体に合う表現っていうのをしないといけないし、それっていうのがこれまでの媒体では結構違ったりするので、じゃあそれをどうやって撮影すんだっけとか、そういうところまで含めて結構対応が変わってきている。
森 テレビCMとかタクシーCMみたいな動画の作り方とは真逆で。
深山 真逆ですね。
森 社名連呼、ブランド名連呼ではなくて。
深山 ではなく。
森 もうエンタメの領域で、その中にナチュラルに商材を仕込まないと。
深山 ナチュラルに仕込まないともう全然。なので、正直あの世界はまだ自分でもよくわかってないところではあります(笑)
森 自社でやってますか? 制作とか。
深山 えーと、一部自社でもやったり。外に出したりとかもやりますね。
天沼 YouTubeはどうですか、皆さん。
深山 YouTubeはですね、うちの場合、一時、漫画みたいなひどいのが回っていて、あれがYouTube側が全部規制されました。ただ今もちろんあそこまでいかないまでも、一定ちょっとずつ戻りつつあるっていうのが実際のところになっていて、とはいえYouTubeの視聴時間みたいなところは伸び続けるので、YouTube自体のメディアでいくとまだまだ伸びるとは思っているんですけども、たぶん表現みたいなところはどんどん作りこんでいかないといけない、プラス、たぶん最近のアップデートで昔って長い動画がよく出ていくみたいになっていたんですけども今アルゴリズムの変化で短い動画じゃないとどんどん出てこなくなってきたんですよね。なんで長い動画を作って訴求するっていうのはたぶん今うまくいかないとか。そういうところの波を捉えていかないといけないんだろうなっていうのは思っています。
天沼 そうですよねぇ。
寺田 FABRIC TOKYOさんはYouTubeとかやられてますか?
森 チャンネルの運営もやってますし、広告もやってるんですけど、チャンネルの運営自体はもう僕Googleの検索だと思っていて、ほぼ。YouTube内で洋服の選び方とかを検索するみたいなニーズがもう既にあるので、わかりやすいところでいくと似合うネクタイとか。そういうのはめちゃくちゃニーズあるんで、そこはしっかりSEOみたいな形でYouTubeSEO、まあ、VSOかな? とかでやるんですけど、VSOとかでやっていくみたいなところはありますと。難しいのがTrueViewみたいな広告運用がめっちゃくちゃムズイなと思っていて、結局あれLPに誘導できないじゃないですか、ほとんどの場合。テレビCMみたいな感じで認知みたいなとことかリーチみたいなところが、一つの指標になってしまってアクセスが分断しちゃうんで、例えば最近テレビにAndroidTVとかGoogle TVとかapple TVとかで実装されているYouTubeのアプリとかでテレビで見てる人が多いと思うんですけど、テレビ見ながらスマホいじっててFABRIC TOKYOのCMがテレビで流れて手元でFABRIC TOKYOって検索してるみたいな感じでいくと、これちょっとよくわかんないじゃないですか。アクセスの関連性が取れないんで。そこはちょっと悩ましいなって思ってるんですけど、TikTokはしっかりLPに呼び込めるので成果が見やすいなってところでは結構可能性感じてるなっていうのは思いますね。動画系だと。あと一周回って結構Facebookの動画を活用したフィード広告とかは結構可能性を感じています。
寺田 airClosetさんもいかがですか? この新しいチャネルというか。
天沼 YouTubeですとか、まあ動画系はすごいメインでは動いてないですね。正直。我々まだこれからどこまで入っていこうかなっていうところは考えてるんですけど、我々どちらかというと、先ほどお伝えした、知っていただいて、割とパーソナライズして文脈をお届けするほうに重視しているんで、例えばLINEでのコミュニケーションとかのほうに意識的にはシフトしてます。ただやっぱり検索とかも含めて、検索がメインですかね。その動画での検索は件数が圧倒的に増えていってるので対応はしないとなって思ってますね。
顧客データベース基盤活用の実際と今後
寺田 ありがとうございます。続いてのテーマでですね、ユーザーの方々のデータベース基盤の活用の今の状況というか。おそらく各社さんとも過去よりもどんどんデータが貯まってきていて、量もそうですし、取っているデータの幅も広がってきてると思うんですけど、どういうふうに既存のリピート中心としたユーザーの方々のデータベースを活用されているかであったりとか、あとまあ今後ですね。今後本当はもっとこんな風に活用がしたいんだけどまだちょっとできてないなぁとか、そういうデータベース全般のお話。FABRIC TOKYO森さんからいかがでしょうか?
森 そうですね。CDPなんかはもちろん導入してますけど、うちはこう基本的に顧客数が大量に増えるっていうよりも一人のお客様のARPUが高いみたいなビジネスモデルなので一人のデータの深堀りしたデータをいかに持てるかみたいなところが重要かなっていうところにおいては、結構見えてきているのが、F6、F7とかでもうほんと2年で30万、40万とかFABRIC TOKYOで買ってくれるお客様、ロイヤルカスタマーですよね。そういうお客様の座談会ですとか、ユーザーヒアリング、ユーザーインタビューみたいなのを行うと、そのお客様が、ロイヤルカスタマーが共通して行っているユーザー行動みたいなのが結構見えてきて、例えばメルマガだけじゃなくてLINEもしっかり取ってくれてるとか、あとはこのコンテンツは必ず見てくれているみたいなアクセスのデータですとか、スーツやシャツだけじゃなくて、チノパンも買ってくれていて、あとは色違いとかでも買ってくれているとかそういうユーザーデータが見えてきたりとかするんですよね。これをまだロイヤル化していないポテンシャルのあるロイヤルカスタマーにしっかり実装していこうと、要はそういう行動を促そうという取り組みを最近始めまして、メンバーシッププログラムっていうのをローンチしたんですね。2月1日からローンチしたんですけど、基本的にメンバーシッププログラムやロイヤリティプログラムってよくあるのが、お客様の購入金額によってお客様にシルバーランクとかゴールドランクっていうものをランク付けしてメリットを提供するっていうことが多いんですけど、うちは金額まったく関係なくて、行動していただくってことなんですよ。例えばさっきの話でいくと、やはりメルマガだけ取ってるお客様よりもLINEも取ってるお客様のほうがLTV高いっていう傾向にあるんだったら、LINEを登録してもらうとランクアップするとか、スーツだけじゃなくてチノパンとか買ってくれるお客様のほうがLTV高いから、スーツ買ってチノパン買うと、またポイントがたまってランクアップするとか、あとは我々がお客様に伝えたいメッセージみたいなコンテンツ、我々のブランディングコンテンツみたいなものにアクセスしていただくとLTVが高いところでいくと、そこにアクセスしていただくと上に上がるとか。そういう行動ベースのメンバーシッププログラムを作ったんですよね。そしたらローンチした瞬間に数十パーセント動いたんですよ。
一同 へえー!
森 お客様が。4ランクあるんですけど、スターター、レギュラー、リーダー、イノベーターって。イノベーターだけランクアップする仕組みをブラックボックスにしていて招待制にしてるんですけど、スターターからレギュラーっていうところが数十パーセント動いて、レギュラーからリーダーが数十パーセント動いたんで、LTVが高まるお客を増やすための先行指標が動いたんですよ。みたいなところが結構面白かったなというので、いい取り組みになりそうだなっていうふうにまだ1カ月も経っていないですけども。
天沼 ものっすごい共感するのと、難しい部分はあるじゃないですか。我々同じようにデータ分析大好きなんで、いろんなデータを分析して相関関係出てくるんですよね。例えば退会に繋がりやすさですとか、繋がるデータ単体じゃなくて、傾向ですね。こういう傾向が例えばフィードバックのコメント数が低下すると退会傾向になるとか、データの相関って出てくるじゃないですか。で、そのデータの相関って要は行動にに直結してるんですけど、そこだけで見ちゃうと、我々それで何回か近しい取り組みをして行動を促してみたんですけど、悪化するものとか、変わらないものとか、うまくいくものとか、バラバラだったんですよ。これなんでかなっていうのを社内でディスカッションしたんですけど、まあ当たり前なんですけど、その行動をしているロイヤルのお客様ってその行動をしている深層の理由のほうがあるんですよね。もうファンになってるからコメント数が多かったとか、ファンになってるから投稿数が多かったとか。一個例えば我々ってMyクローゼットですとか、いわゆるご自身が持っているお洋服を登録していただくような機能とかあるんですけど、この登録数が高い人のほうが退会率は低いっていう傾向があるんで、じゃあ登録数促してみようよってたくさん促したんですけど、まあ何も起きないわけですよ。その瞬間は行動するんですけど、じゃあなぜ投稿数が多かったのかを、まあやられてると思うんですけど、お客様インタビューとかで、なぜいつどういう気持ちで投稿したくなるのかっていうお客様の感情分析をできるほうが大事だなと思っていて、最近では結果こういう行動に至ったんだけど、その行動に至る手前は何だったのかっていうのを深堀していくのはすごく大事だなと思って。すごい表面的な行動だけだとミスリードしちゃうんですよね。もう単純なんですけど、そんなミスなんかもしてるんですよ(笑)
寺田 因果関係が逆だったと
天沼 因果関係があるようでない。要は間接的なものなので、あるようでないっていうのが結構行動には起こりやすいなって思って、そこが我々の難しかったところ。
森 まあ難しいですよね。LTVの先行指標をどこに置くかみたいなところって、いろいろ試さないと見えてこない。サービス特有、商材特有のものがあると思うんで。
天沼 これからどんどん変えていくんですよね。
森 今後は変えていかないといけないなっていうふうに思ってるんですけど、基本的な設計に関しては、我々がお客様に知ってほしいことをちゃんと伝わりやすいようにしたいなっていうのが基本的な設計で、そのためにはやっぱりメルマガとかも開封率、昔より全然下がってきてるじゃないですか、今もうメール見ないっていう人も増えてるし。だったらLINEだよねとか、今後さっきインスタグラムでメッセージやりとりできるようになるよねとか、そういうのもアメリカの事例とか研究していて、そっちも検討したいなとも思うし、あとはSMSなんかもそうですよね。お客様の番号わかるんで、お客様に送りすぎたらうっとうしかったり気持ち悪かったりすると思うんですけど、適切なタイミングでお客様にコミュニケーションするっていうそういうタッチポイント増やせるかどうかっていうのと、あとはやっぱり楽しんでいただけるコンテンツを適切なタイミングで届けたいなっていうのが基本思想なんでこれからちょっといろいろアジャイルでいろいろ試していきたいなっていうところですかね。
寺田 深山さん、これデータの活用のところいかがですか?
深山 そうですね、今の話に結構近いんですけどもさっきもパーソナライズ×D2Cっていうので展開している中で、結構顧客ペルソナをざっくり言ってしまうと、めんどくさがりの人が結構多いんですよね。別にそれがどうだっていう話じゃないんですけど、昔のパーソナライズドマーケティングって結構ステップでどんどん「こういうタイミングではこう送って」みたいな。ただ面倒くさがりの人がターゲットっていうところを考えると、それが何回も送ってこられるとそれすらもめんどくさいっていう。
一同 (笑)
深山 なんかこっちはせっかく善意でやってるのが、結構「いやいや」みたいなのが結構多発したりはしていて、大事なのはそんなアクションしない中で、どこで気を利かせてくれてる、って思ってもらえるか。っていうその気の利いているポイントを探り当てて、そこの一発のみ行くっていうのが結構大事。なので僕らの場合は変な善意で送りすぎないっていうのが結構ベースで、じゃあそのいいタイミングってどこなんだろうっていうのをその反応とかを見てやってる感じですね。
森 もうそれは解はあるんですか?
深山 いや、まだ解は完全には出てないですね。で、僕らでいくと、フィードバックを促したい、フィードバックをしていただいて、サービスの必要性っていうのをちゃんと理解していただく方のほうが当たり前にLTV長いので、その連絡をいつするかとか、次に2回目届いたときの気の利かせ方をどう取るかとか、もちろんLINEとかにも登録してほしいんですけど、「LINE登録すると何円オフ」みたいなのはあるんですけど、あれがやっぱうざいみたいなんですよね(笑)
一同 (笑)。クーポン送ってるのにうざい?(笑)
深山 なんでそれはもうさっきの話で、3回もう届いてて、ちゃんとフィードバックしてくださっているお客様はそこでLINEに入りませんかっていうと、別に500円クーポンとか渡さずにでも入ってくれたりするんですよ。みたいなところで、そのステップでめっちゃ送るっていうよりも、気の利いたコミュニケーションで、面倒くさがりの人にも受け入れられるためにはどうするかみたいなっていうのが結構データをもとにトライするっていう。で、まだもちろん解は出てないって感じです。
森 僕すごい唖然としちゃったのがFABRIC TOKYOってシャツもやってるんですねって結構お客様から言われるのがあって、いやいやむしろ創業のときはむしろシャツしかやってなかったわ!みたいな感じなんですけど(笑)
一同 (笑)
森 シャツからやってスーツ行ったんですけど。要はお客様って想像以上に自分たちのことを知ってくださってないっていうことがすごいあって。FABRIC TOKYOでニットやってるとか、チノパンやってるとかも全然知らない人大多数みたいな感じなんですよね。で、知ってたら買ってたのに、みたいなお客様、めっちゃ座談会とかでいるんですよ。なので、もっと知ってもらわないとダメだなみたいな感じのところをやっていきたいなっていうのは思いますよね。
天沼 でも難しいですよね。繰り返さないと知ってもらえないけど、しすぎるとまたね。
森 いや、本当にそうですよね。
天沼 っていうのがあって、我々も結局サービスで例えばお洋服の中身とかもairClosetって、シェアリングのサービスで効率化を図ってるサービスだから売れ残り品とかをブランドさんから回収してるものをレンタルしてるんですよねっていう印象の方とかもこの間お会いして。ほぼないんですよ。我々すべて展示会とかで新作アイテムを各シーズン購入していってるんですけど、そういう印象を持たれているとかは、マーケティングよりはブランディングに近いかもしれないんですけど、すごいやっぱりコミュニケーションとしてやっぱりこれから大事になっていくだろうなっていうのは感じます。
森 そのへんの顧客の理解度みたいなのがスコアリングできると、めちゃくちゃ事業よくなるのになっていうのがすごいあるんで、顧客のデータベースそのへんもしっかりなんか作れたらいいんだろうなとか思うんですけど。
天沼 きっとaimstarさんが(笑)
寺田 是非aimstarで(笑)
一同 (笑)
寺田 是非お手伝いさせてください(笑)
森 だってMEDULLAがスキンケアを始めたみたいなのって。
深山 いや絶対知らないですね。
森 知らないですよね。
深山 たぶん僕らだと知ってよって思うんですけど、商品勝ってるときにその会社のことって多分お客様って一切興味ないですよね。なんで、その会社が何やってるかも全然興味ないし。
森 その商品だけに。
深山 その商品だけに、はい。なのでそこを知ってもらう努力をどんどんしていって、商品で当たり前に好きになってもらうだけじゃなくて、会社とかも好きになってもらうっていうのまでいけばたぶん高いLTVを出せると思っていて、ただいつでも聞いてくれる状態ではないんで、そのタイミングをどう見極めるかっていう感じなのかなって。
森 中国にXiaomiっていう携帯のブランドあるじゃないですか。Xiaomiがオンラインだけでやってたときは、携帯だけしかやってないって消費者は思ってたらしいんですけど、Mi Storeってリアル店舗始めた瞬間にロボット掃除機とか扇風機とかスピーカーとかやってるっていうのが認知されて、LTV爆上がりしたみたいな。だからリアルな強みってそこだなっていうのはすごいあるので、昔オンラインでやってた時代よりも今リアルでやってるんで、まず最初にお客様が来るじゃないですか、その時に、「あ、チノパンとかもあるんですね」みたいな感じで理解してくれるお客様の比率は上がってます。
天沼 説明できますからね、確かに。
森 だけどそれをいかにこうオンラインで再現するか、みたいなところは引き続き課題だなというふうには思ってますね。
天沼 ちょっと試みているのは動画とかもそうですし、実体験してくださった方にこう話してもらうのがいちばん説得力高いんで、そっちに、我々重点項目をいくつか今出していて、知っていただきたい項目として、それを誰だったら語ってくれるのかっていうのを今探って、その方たちから発信してもらうっていうのを少し促してたりしますね。ただまだやってみてますなんで施策のヒントですけど。
<質問コーナー>
寺田 ちょっとお時間もそろそろあれなんですけど、質問をいくつか視聴者の方からいただいてまして、例えば、これ深山さんにお伺いしたいんですけども、競合もパーソナライズドにフォーカスしている中でどのような勝ち筋を目指されていますでしょうか。データの取り方、量とか質とか、モデルとか、改善のスピードとかで、対競合観点での勝ち方みたいなのはいかがでしょうか。
深山 なるほど、ここではうち大きく二つで、一つは、とはいえまだ第一想起できるブランドがないんで、まず第一想起を取りに行くっていうのは、そのために結構CMとか含めて投下してるっていうところはあります。まああと二つ目は先ほど天沼さんがおっしゃってたようなありきたりなんですけど、UXかなって思っていて、結局使いやすいサービスがいちばん残ると思っているので、たぶんデータ量が多いだけでも結局使われていないと意味がないので、UXがどこよりもイケてるっていうところだし、そこを磨き続けるっていうところが重要なのかなって思ってます。
寺田 ありがとうございます。そのほか、先ほど深山さんから送りすぎないっていうお話ありましたけれども、他のお二方。いわゆる経験負債ですかね。コミュニケーションしすぎてちょっとユーザーの方にうざがられるみたいなのをどのように取られて対応なさっていくか。森さんいかがでしょうか。
森 これお客様によって違うんですよね。月に1回もうざいって思う人もいるんで、年に1回もうざいっていう人もいるかもしれないですよね(笑)。一方で、毎日来ても全然うれしい、っていうお客様もいるんですよ。お客様に受け取る頻度をちゃんとコントロールしていただける。お客様自ら。あるじゃないですか、よく。メールの送信の回数とか頻度とか。ああいう選択肢をしっかり、そこもパーソナライズしてあげるみたいなところもやっぱり重要なのかなっていう。ことを思ったりしますね。
寺田 実際にそうされてるんですか?
森 あ、一部してます。全部はできてないですね。
寺田 天沼さん、この経験負債のお話いかがですか?
天沼 そうですね。UXっていう観点で、我々はどちらかというと今は丁寧にコミュニケーションするっていうことを重視していて、ただ見ているのは開封率が落ちていくんですよ、たぶん。送りすぎてどうしても経験負債が貯まっていくと。なので、お客様の反応って開封が数値としてデータとして変わってなければ、今の丁寧なコミュニケーションで良い、っていうふうに判断して、今のところ我々はそっちで動いてますね。で、まあ不定期ですけど、アンケートを取らせていただいたりだとかっていうのもさせていただいているときに全体開封と反応、アンケートへの回答がどれぐらいあるのかみたいなところは見させていただいていて、中には9割とか超えるんですよ、アンケート開封が。
一同 それすごいな。
天沼 たぶんうざがられてはいなそうじゃないですか(笑)
寺田 たしかに(笑)
一同 9割ってすごいでよね。
天沼 開封してくださった方ですよ。開封してくださった方が9割とか超える。でもそれ20問とかあるアンケートだったりするんで、それさすがにうざがられてるとは思われてないんじゃないかなと思って、めげずに送ったりしてますね(笑)。ただ、森さんおっしゃってた今後、ご自身がある程度その設定と期待値を整えられるようにしていくっていうのは大事になっていくだろうなっていうのは、最近すごく思ってますね。その通知はいらないよ、とかこういう系の情報はいらないよっていうのは出てくるとは思うんで。
森 インフォメーションとコミュニケーションを社内でちゃんと分けるみたいなのは割と意識してますね。インフォメーションはちゃんとお客様にお知らせしたいことっていうのはあるじゃないですか、かなり事務的な連絡とか。そういうものはしっかり送るんですけど、コミュニケーションはやっぱりそういううざがられるというよりむしろありがたがられるというか、喜ばれるみたいなことっていうふうにしていって、インフォメーションは2割ぐらいまでに抑えよう。コミュニケーションを8割にしていこうみたいな、そういうような形で考えて来てますね。
天沼 これもう皆さんやられてますけど、UIでもある程度は負債を軽減できるかなと思っていて、これもちょっと見えないかもしれないな。
一同 (笑)
天沼 例えばお知らせを送るんですけど、これ「すべて」と「あなたへ」と一応分けていてですね、まさに見てもらいたいとか商品届きますよというお知らせは「あなたへ」向けで、「すべて」だとみんなに向けて送ってます、その代わりセール系の情報ですよとか、キャンペーン系の情報ですよとか、我々分けてるんですよね。そうするとお客様が見たときに「すべて」のところのセール系は私はいいわと、いつもの通知だけ見たいという方はこの「あなたへ」を見るっていうふうに選んでいただけると。
森 これ上手ですね。
天沼 UIを工夫したりっていうのはやってるんですけど、ただうまくいってるかどうかはわかんないですね(笑)
寺田 (笑)。有効そうですよ(笑)
森 顧客目線では絶対そのほうがいいですよね。と、信じてやるという。
寺田 あの他にもたくさんご質問いただいているんですけど、すみません、お時間がもうあっという間に(笑)
一同 (笑)
寺田 最後にですね、これご覧になっている方はおそらくマーケティングのご担当者の方だったり責任者の方多いかなと思いますので。深山さんからお一人ずつですね、マーケターの方々に向けて、一言。ちょっといきなり(笑)。すみません、お願いいたします。
深山 そうですね、まず、とはいえデータになってしまっている場合が多いので、そこのデータセットを整えるっていうところはまずベースで意識して、そこをちゃんと分析しきるっていうのが大前提。で、そのうえで結構感覚的なところ、要は仮説的なところを残しておかないとミスリードしがちだなっていうのを思っているので、最終的にはお客様の気持ちに寄り添って、その仮説をベースにデータを分析して、みたいなところのウェットなほうっていうのもやっぱり非常に重要になってくるんじゃないかなというふうに思っております。
寺田 ありがとうございます。森さんお願いします。
森 なんか最近広告の運用とかのミーティングまで入ってるんですけど、Googleとか最近AIがやってくれたりするじゃないですか、運用。で、AIで運用する期間と手動で運用する期間っていうのを両方やってみたら手動のほうが勝ったんですよ(笑)。みたいなところがあって、まだまだやっぱり、深山さんおっしゃってた仮説から打ち手を作るとかそういうところっていうのはやっぱりAIにも勝てる余地もあるんだなと。これ当然ハイブリッドでやっていくべきことだと思うんですけど、AIだったり機械化みたいなところを信じすぎずに仮説を持ってやっていきたい。それはなぜならデータには表れない顧客の感情があるから、みたいなところがありますかね。本日はありがとうございました。
寺田 ありがとうございます。天沼さん。
天沼 はい。今日はめちゃくちゃ面白いテーマで盛り上がってるんですけど、マーケターの皆さんにっていう意味合いでは、私はこうどちらかというとAIとかも出てますけど、圧倒的にこれからマーケターの時代がもう一段来るなと思っていて、これ当たり前だと思うんですよね。これなんでかっていうと、パーソナライズっていう意味合いでも多様性の時代なんですよね。情報も一人ひとり手に入れられる先がものすごい広がってるんで、なぜマーケターの時代かというと難易度がめちゃくちゃ高まっていってるんだと思うんですよ。マーケターの皆さんのですね。選べるツールもたくさん出てますし、多様性が増していくっていう中でやっぱりAI以上にマーケター一人ひとりの価値が高まる世の中になっていくんじゃないかなと思うので、いろんなマーケティング施策出てきますけど、全体の流れとしてはもうマーケターの世の中になっていくと私は思っていて、難しさ増すんでたぶんいろいろ試行錯誤はすると思いますけど、だからこそ楽しいマーケティングの世界になっていくんじゃないかなというふうに思っていて、ツールもね。増えてきますし、aimstarを活用したりですとか、難易度の高い我々のようなビジネスでマーケティングをしていたくとか(笑)
一同 (笑)
天沼 いただきながら、みんなで成長できればなというふうに思ってます。
森 マーケター採用してます(笑)
一同 (笑)
寺田 はい、では本当に実務的かつ本質的なお話、皆様ありがとうございました。こちらでお時間ですので本日のセミナー終了とさせていただきます。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。
一同 ありがとうございました!
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<「2.顧客をファン化させるための取り組みとは?」の詳細はこちら>