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ZOMA ZONE OF MARKETING AUTOMATION

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2021-07-16

【店舗DX】売場転換率を見て売上を上げる!


 従来型の店舗よりもデータ分析の進んでいるECサイトでは、「転換率」という指標値を用いてサイト改善や、売上予測を行うことがよくあります。ここでいう「転換率」とは、サイトにアクセスしてきた人の中から、どれくらいの人が商品を購入したかの割合を指しますが、より細かくみると、「TOPページ」→「商品ページ」→「カートに入れるページ」→「購入ページ」→「購入完了」といった各ステップごとに見ることができます。各転換率を見ることで打つべき施策が変わってきます。

 このECサイトの転換率とおなじことを、リアル店舗でも実施することができます。ここでは、店舗の場合使うことができる転換率のポイントについてご紹介していきます。

店舗の場合の転換ポイント

 店舗の場合、母数は入店者数、最終コンバージョンポイントは購入者数になります。この間に考えられる転換ポイントは、
 ・通路通行
 ・売場通行
 ・売場立寄り
 ・手を伸ばす

というステップです。

 例えばチョコレートを購入する場合、お菓子の通路に入り(通行し)、チョコレート類が置いてある売場に入り(通行し)、その売場で立ちどまり、商品を手に取りレジに向かうというステップとなります。もちろんこの行動の前後に、卵売場に立寄ったり、肉売り場を通過したり、魚売り場で滞留したりもします。

 この各ステップの人数を求めることで、転換率を計算することができます。例えば、入店者数が100人、通路通行が50人、売場通行が30人、売場立寄りが10人、手を伸ばしたのが5人、購入が2人の場合、このチョコレートの転換率は、
 ・入店→通路通行 50%
 ・通路通行→売場通行 60%
 ・売場通行→売場立寄 33%
 ・売場立寄り→手を伸ばす 50%
 ・手を伸ばす→購入 40%
です。

 入店者数から購入の転換率だけだと、2%という情報しかありませんが、各ステップの転換率を細かく見ていくことで、ボトルネックを見つけていきます。同じお菓子売り場の商品でも、ポテトチップスとチョコレートの売場転換率を比較して違いを見たり、キャンペーンの実施前後での同商品の転換率を見たりと、製品や日付/曜日/天気など条件を切り替えながら転換率を見ていきます。

 

転換率に応じた施策

 ECの場合、商品ページを閲覧していても購入ボタンがクリックされない(商品ページ→カートに入れる転換率が低い)場合は、購入ボタンの色や形状、位置を変えるなどの施策が考えられます。一方、購入ページの最後で離脱してしまう(購入ページ→購入完了の転換率が低い)場合は、情報入力をより分かりやすくする施策が考えられるように、転換率に問題があるポイントによって、打つべき施策も変わってきます。
 ・入店から通路通行の転換率(α)に問題がある場合は、通路誘導板を設置する
 ・通路通行から売場通行の転換率(β1)に問題がある場合は、売場誘導のPOPやゴンドラエンドを変更する
 ・売場通行から売場立ち寄りの転換率(β2)に問題がある場合は、商品陳列を変更する
 ・売場立寄りから手を伸ばす転換率(β3)に問題がある場合は、商品POPを変更する
 ・手を伸ばしてから購入までの転換率(γ)に問題がある場合は、商品ラインアップや価格を検討する

 また、同じ製品の転換率でも、キャンペーン前後で比較することで単純に売上だけで効果を測定するのではなく、「売場に人が来なかったのか?」「売場には来たけど買われなかったのか?」「転換率は上がったが、そもそも来店客全体が少ないのか?」など課題を明確化することができ、メーカーのキャンペーン効果測定にも用いることができます。

 

転換率を取得する方法

 転換率を取得するためには、各ステップの人数計測が必要です。最初の入店者数は、入店カウントを導入している店舗では取得できており、購入者数はPOSデータがあれば取得できています。いままで取ることが難しかったのは、この間のステップ(通路通行、売場通行、売場立寄り)です。これらのデータを取るためには、必要な範囲の店内動線を取得する必要があります。より多くの動線を取得するためには、店内にカメラやセンサーを設置して、自動で計測を行うのが効率的かつ正確です。動線データを取ることで、売場転換率だけではなく、売場の直行直帰率や、売場の相関性なども見られるようになり、分析・施策の幅が広がります。

 特定の製品のみの転換率を見たいのであれば、店内全体の動線を取得する必要はなく、入り口の入店カウントと、該当売場内の動線取得、POSデータのみで算出可能です。

 

まとめ

 今まで取得する方法がなくてブラックボックス化していた、店内での購入までの転換状況を分析することで、課題を明確化し店舗改善につなげることができるようになります。各ステップの転換率をみるためには、店内動線情報が必要です。そして取得したデータは、目的のためにいろいろな軸で分析することが重要です。例えば、製品ごとに転換率を比較したり、曜日や特定の日付、時間帯、天候、季節ごとに比較することで、より的確な施策につなげることができるようになります。
 売場転換率を活用して、店舗改善につなげてみてはいかがでしょうか。

 

動線分析Moptar

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