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地上30階分の各フロア回遊まで可視化!横浜スカイビルが挑む、「感覚」を「根拠」に変えるデータ駆動型SC運営

横浜駅東口に直結し、オフィス、商業施設、バスターミナル、スパなど多彩な顔を持つ大型複合施設「スカイビル」。
同社では、多様な利用者やフロア構成ゆえに「館内の詳細な人の動き」を捉えきれないという課題を抱えていました。特に、高層ビル特有の階層(高さ)を跨ぐ移動の把握が、壁となって立ちはだかっていました。

こうした課題を解決すべく、人流分析AI Agent「ミセシル」を導入。階層(高さ)の取得を可能にした高精度なデータ分析を通じ、漠然とした肌感覚を「確かな数値の根拠」へとアップデートさせています。

今回は、ミセシル導入の決め手から、テナント構成の変化に伴う分析、具体的なプロモーションやテナントコミュニケーションへの活用法、そして今後の展望について、株式会社横浜スカイビル SC事業部の宮崎様にお話を伺いました。

 

多様な顔を持つ「スカイビル」の運営と、幅広い利用者層に応えるSC事業部の役割

―まずは、貴社の事業内容と「スカイビル」の特長について教えていただけますでしょうか。

宮崎氏:株式会社横浜スカイビルは、横浜駅前にある「スカイビル」のオーナーであり、運営を行っている会社でもあります。建物は地下3階・地上30階建てで、およそ半分が商業フロア、残りの半分がオフィスフロアとなっています。さらに、羽田・成田空港などへ接続するバスターミナル(YCAT)や、人気の温浴施設(スカイスパ)なども入居しています。

商業だけに特化した施設ではなく、横浜のターミナル的な位置づけとして、横浜という地域エリア全体への貢献にも日々取り組んでいます。

館内の大きな傾向としては、平日はオフィスワーカーの皆様が多く、休日はファミリー層やイベント目的の来街者等を中心に賑わいます。商業フロアを周辺施設と比較した際の特長としては、大きく3点あります。

1点目は、大きく2カテゴリーで構成された飲食フロアです。カジュアルな店舗を中心とした10・11階エリアと、横浜の綺麗な夜景を臨める28・29階の高層レストランフロアに分かれています。

2点目は、独自性のある専門店です。テニス・バドミントン用品の店舗や歴史ある理髪店など、横浜エリアではスカイビルにしかない専門性の高い店舗が入居いただいています。
最後は、多くのファンを抱える、人気・話題性ともに高いキャラクター・作品を取り扱う店舗の集積です。

また、オフィスフロアにも来店型の企業に多数入居いただいており、施設全体で多様なニーズに応えられる構成になっていることも大きな特徴のひとつです。

利用者層は非常に幅広く、10代の若年層から60〜80代のシニア層まで、男女問わず偏りなくすべてがスカイビルの利用者層となっています。

株式会社横浜スカイビル SC事業部 課長 宮崎 宏行氏

 

―その中で、宮崎様が所属されているSC事業部の業務範囲と役割についてお聞かせください。

宮崎氏:SC事業部の所管は商業フロアの運営・管理です。その業務は、大きく分けて①リーシング・MD、②店舗コミュニケーションと施設管理、③集客プロモーションの3つの領域に分かれています。当社は各メンバーが横断的に広範な業務を担っていますが、その中で私は、主に③の「集客プロモーション」を中心とした業務を担当しています。

 

高層ビル特有の「フロア間回遊」を追えない壁――ミセシル導入の決め手とは

―2026年1月より人流分析AI Agent「ミセシル」をご利用いただいておりますが、導入前の館内運営や集客において、どのような課題感をお持ちだったのでしょうか?

宮崎氏:施設全体の来館者数は以前から把握できていたのですが、「館内で人々がどう動いているのか」という回遊状況については正確に把握できていませんでした。

実は数年前に、個人的にですが、一度トライアルで他社の人流分析ツールに触れてみたことがありました。しかし、スカイビルは多層構造です。一般的な人流分析ツールではフロア間の移動(高さの情報)を捉えることができず、興味深くはありましたが、本当に知りたかった分析結果を得ることができませんでした。また、分析ツールが非常に複雑で、使いこなすにはかなりの工数が必要だと感じたこともあり、その際は参考程度に留まった経緯があります。


―そのような背景があったのですね。今回、改めて「ミセシル」を選んでいただいた一番の決め手は何だったのでしょうか?

宮崎氏:前回のトライアルでの経験から、ミセシルに決めた最大のポイントは、「高さ(階層)」の位置情報を取得できることでした。課題であった「フロア間の回遊」をデータ化できると期待できたので、導入を決定しました。

 

―ありがとうございます。現在のミセシルの利用体制や利用状況について教えていただけますか?

宮崎氏:現在は施設内の人の動きをメインとしつつ、周辺エリアとの回遊状況を見ています。

利用体制としては、GROWTH VERSEとコミュニケーションを取っている担当者が私を含め2名います。詳細は後述しますが、GROWTH VERSEの分析レポートを施策検討の参考にしています。また、そのレポートはSC事業部で共有し、各業務の参考にしています。

 

「感覚」を「確かな根拠」へ。基礎分析とテナント構成の変化に伴うBefore/After分析

―ここからは具体的なデータの活用方法について深掘りさせてください。これまでに基礎分析や、テナント構成の変化に伴うBefore/After 分析を実施されたとお聞きしています。まず「基礎分析」ではどのようなアプローチを行いましたか?

宮崎氏:これが主要な目的でしたが、スカイビルの現状を把握するための分析を行いました。具体的には、来館者の年代・性別等の属性構成、フロア間の回遊状況を把握することを目的に、商業フロアに限定せず、施設全体を対象に分析を行いました。

※任意のフロアを軸に、来店前に経由していたフロア(左)と、来店後に向かったフロア(右)のつながりを可視化。

 

―基礎分析の結果をご覧になって、新しい気づきや発見はありましたでしょうか?

宮崎氏:最も大きかったのは、これまで自分たちが漠然と抱いていた認識に対して、数字で明確な裏付けが取れたことです。

例えば、冒頭で申し上げた通り、施設全体で多様なニーズに応えることがスカイビルの特徴です。そのため「スカイビルのお客様は年代が幅広い」という認識は以前からありましたが、実際のデータを見ても、ある年代が突出している等の偏りが非常に少ないことが判明しました。肌感覚に対してデータで裏付けができたことになり、施策の検討において、曖昧な領域を減らすことができたと言えます

また、各フロア間の回遊においては、事前の想定通りのもの、異なるものなど、こちらも有益なデータを得ることができました。

 

―感覚の数値化ができたわけですね。「テナント構成の変化に伴う Before/After 分析」では、どのような変化を捉えられたのでしょうか?

宮崎氏:施設内の人の動きがどう変化するかに注目し、詳細な分析をしていただきました。細かな変化を追うことができましたが、大きな点としては、施設全体の来館者数の変化とミセシルの分析結果での来館者数の変化が同じ傾向を示したことで、あらためてミセシルの計測精度の高さを実感しました。


―精度面でもお役に立てて光栄です。その他に印象に残っている分析事例はございますか?

宮崎氏:外部施設との「併用利用分析」も非常に印象的でした。近隣で大型イベントが開催される際は多くの来街者がありますが「そのうちの何%のお客様がスカイビルにも足を運んでくださっているのか」を数値化できたのは非常に興味深いデータでした。

 

肌感覚との答え合わせが生んだ、確信を持ったSC運営と施策への展開

―館内の詳細な動線が見えるようになったことで、これまでの“肌感覚”と比べてどのような変化や新しい発見がありましたか?

宮崎氏:全体としては、私たちがこれまで想定していた施設の利用状況の裏付けを得た、ということが変化です。一方で発見としては、想定との差分を実態として把握できたということです。例えば外部の方とコミュニケーションを取る際にも、より的確な情報を提供できるようになりました。

 

―宮崎様が主軸として担当されている「プロモーション」の分野において、人流データを活用した具体的な施策例があれば教えてください。

宮崎氏:フロアごとの客層や利用目的、回遊状況が明確になったことで、プロモーションの切り分けがしやすくなりました。全店舗を対象にした施策として成立するのか、範囲を限定した施策設計の方が効率的なのか等の判断材料です。

具体的には、高層レストランフロアの「特別感」をPRすることに特化したグルメサイト等を活用したプロモーション施策を展開していますが、他フロアとの連動性をあえて入れずに訴求ポイントを明確にしたことが奏功していると思います。

このように、「予算を効率的に、どう配分するか」という判断を下す際の客観的な材料として、ミセシルを有効活用できています。

今後の展望と、人流データ活用を検討する施設へのメッセージ

―今後、ミセシルを活用して挑戦したい取り組みや、期待されていることがあればぜひお聞かせください。

宮崎氏:今後、日常的な分析の中でダッシュボードを通じてフロア間回遊の状況もあわせて把握できるようになれば、業務へのインパクトはさらに大きくなると感じています。それが可能になれば、今後は、館内のイベントスペースで開催している各種イベントの「詳細な効果検証」に挑戦していきたいと考えています。

「イベントスペースへの来場が、どれくらい他の商業フロアへの回遊を生み出しているのか?」「イベント自体が、スカイビルへの来館を新しく促すキッカケとして機能しているのか?」といった点をデータで定量的にトラッキングしていきたいです。
また、店舗構成が商業施設の核なので、リーシングの観点においても、店舗間の回遊・併用等の相乗効果をさらに深く分析し、より魅力的な施設づくりに役立てていきたいですね。

 

―イベント検証やリーシングへの活用など、今後の展開が非常に楽しみです。最後に、これから人流データの導入や活用を検討されている他の商業施設や企業様に向けて、アドバイスやメッセージをお願いできますでしょうか。

宮崎氏:様々な場面で言われていることですが、人流データを活用する上で一番大切なのは、「何のためにデータを取りたいのか(取りたいデータ)」をあらかじめ明確にしておくことだと思います。

自戒の念を込めて申し上げると、単にツールを導入して「とりあえずデータを眺めてみる」というスタンスになってしまうと、結局活用しきれずに終わってしまいます。自施設の課題を洗い出し、「この仮説を検証するためにこのデータが必要だ」という目的意識を強く持つことこそが、人流データを真に成果へつなげるための最大のポイントだと感じています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。GROWTH VERSEは、今後も「ミセシル」の高度なデータ分析機能と手厚いCSサポートを通じて、横浜スカイビル様のさらなる施設価値向上と、ご来館されるお客様の体験価値向上を全力でバックアップしてまいります。

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